税理士事務所職員は知らない?税務調査当日~終了までの流れ
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税理士事務所に顧問を依頼するきっかけになるのが税務調査という会社はよくあります。「会社を10年もやっているのに一度も税務調査に当たったことがない」「会社を作って5年目なのに税務調査が来た」など、法人設立から税務調査が来るタイミングは様々なのです。社長仲間で税務調査の話をすることはよくあることですが、本当のところの税務調査の話はしていないでしょう。今回は、税務調査の流れを見ていきましょう。
税理士事務所職員は知らない?税務調査当日~終了までの流れ
税務調査のことなら税理士事務所に任せているから大丈夫と思っていても、税理士事務所には税務調査に対応したことのある人とない人がいることをご存知でしょうか?
つまり、税理士事務所に頼んでいても税務調査のことを知っているのは税理士先生だけということもあります。
税理士事務所が知らないこともある税務調査について、経営者のほうでしっかりと押さえておきましょう。
税務調査の日程が決まるまでについては、「税務調査のシーズンと日程の決め方~税務調査のシーズンは7月から!~」をご覧ください。
税務調査の連絡が来てから税務調査の実際の調査までの日数は、税理士事務所と社長の日程にもよりますが数週間程度です。
税務調査をする税務署の担当者も3か月後などの日程を指定されても困ってしまいます。
7月~12月(ナナジュウニ)の期間であれば、ある程度先の日程をいわれても対応できますが、4月~6月(ヨンロク)の期間であれば3か月後を指定されると無理です。
「事前通知のある税務調査」と「事前通知のない無通知の税務調査」がある
任意の税務調査の中には、2つの税務調査があります。
マルサの女のイメージの突然来て「動くな」という調査は、任意の税務調査ではありません。
通常の税務調査は「任意調査」といわれ、納税者の任意の協力を得ておこなう税務調査と位置付けられています。
「任意の税務調査」といっても、間接強制と呼ばれ正当な理由がないのに拒むことには罰則があるので注意しましょう。
任意調査と無通知調査の2つの調査
① 事前通知という連絡が来て日程調整をする税務調査
法律で通知する要件が定められています。
顧問税理士がいて、申告書に税務代理をつけて提出している場合には、税理士経由でお客様に同じ内容が通知されることが多いです。
顧問税理士がいない場合、会社側に電話連絡が来て、法律の要件である税務調査に関する通知事項が電話で通知されます。
この事前通知については、原則として書面では交付されません。
納税者の方から書面での交付を依頼しても交付されるものではありませんのでご注意ください。
② 事前通知をすることが税務調査をやる上で適切でない税務調査の場合の、無通知調査
通常の税務調査は調査の前に日程の調整を行います。
ところが、飲食店や現金商売などのように、事前に税務調査の日程などを知らせてしまうと資料を隠されてしまったり、改ざんされる恐れがある場合には税務調査の事前通知をしないことがあります。
飲食店や現金商売だから無通知調査が行われるわけではありません。
事前通知をする・しないについては税務署の判断になります。
顧問税理士がいても、税理士にも事前に通知されていないません。
日頃から税理士と税務調査について話し合っておくことをお勧めいたします。
税務調査当日の流れ
1日目 午前10時
税務署の調査官が到着:世間話からも情報収集開始
税務調査官が臨場
税務調査当日の朝10時 いよいよ税務署の担当者がきます。
地方の場合には、税務調査担当者が車で来ることが多くなります。
式次第のようになってしまいますが、一般的な流れは次のようになります。
① 税務署の税務調査の担当者と名刺交換
② 天気や季節の話などあいさつ程度の世間話
③ 社長の前職を含めた学生以後の経歴について質問
④ 最近の業況・取引状況についての話
⑤ 現在と過去の取引先について
一般的な税務調査の流れは上記のようになりますが、実際にはこの合間合間に世間話が入ってきます。
この世間話で、次の点などがチェックされています。
・ 社長の休日の過ごし方(休日の有無を含む)
・ 社長が経理に関する作業を自宅などでもしているかどうか
・ 車両などの会社の備品の私的利用の可能性
・ 社長の行動パターン
・ 手帳を含めて社長のスケジュール管理をしているものはどれか
・ 注文が入ったときに、メモをしているものはどれか
・ 経理資料が調査場所以外にあるかどうか
・ 事前に調べてきていることと矛盾していることがないか
質問の後は、税務調査官は用意されている帳簿関係の資料の精査に入っていきます。
12時~13時:税務調査官 昼休憩
13時~16時くらい:現場調査
16時過ぎごろ:税務調査官 税務署に戻る
1日目の会計帳簿や会計資料を精査し、疑義のあるものや事実の確認をしたいものについてまとめ、1日目の最後に質問をしてきます。
顧問税理士がいる場合には、税理士が調査立ち合いをしてくれることが多いので社長は最初の面談以外仕事に出られます。
顧問税理士がいない場合には、社長が事務所に残って調査官から次々質問をされるか、ご家族・事務員さんに立ち合いをしてもらうことになります。
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税務調査2日目 午前10時~16時過ぎ 税務調査官引き続き現場調査
税務調査1日目に引き続き、会計資料の調査に入っていきます。
1日目同様に、
顧問税理士がいる場合には、税理士が調査立ち合いをしてくれることが多いので社長は朝から仕事に行っていても大丈夫です。
顧問税理士がいない場合には、社長が事務所に残って1日目と同じように朝から夕方まで調査官から次々質問をされるか、ご家族・事務員さんに立ち合いをしてもらうことになります。
税務調査3日目 午前10時~15時 税務調査官引き続き現場調査
15時から16時過ぎ 社長を交えて、懸念事項・社長に直接確認したい事項を説明
午前10時から15時くらいまでは、2日目と同じように会計資料や帳簿を基にした調査を行っていきます。
この時間帯は、顧問税理士がいる場合は税理士がいれば問題ありません。
いない場合は、社長が朝から立ち会うか、事務員・ご家族が立ち会うことになります。
15時くらいには、税務調査3日間のとりまとめが行われます。
臨場のとりまとめ(3日間の部分に関するとりまとめ)
税務調査3日目の15時くらいから、税務調査の1日目から3日目午後一くらいの内容で疑義が出た個所を質問されます。
この時点で、税務上問題と認識されているものについては指摘されていくことになります。
実際には、この後も税務調査は続きます
税務調査は現場では通常3日間おこなわれます。
この後も、税務署にもどってから税務調査は続いています。
例えば、
・外注先についての実態確認
・給与受給者の実態確認
・取引の実態の有無
・反面調査の必要性の検討と実施
税理士は調査の3日間以後も税務調査対応をしています
税理士は税務調査の3日間の後にも、税務署と税務調査のやりとりを継続しています。
税務署側から懸念事項として伝えられたものについて、調べ追加資料を収集したりして税務署に届けたりします。
見解の相違がある場合には、お客様の代わりに税務署に行き、お客様側の主張をしてきます。
このやり取りが長い時には1か月以上かかります。
調査の結果連絡は1か月から2か月程度かかることも
税務調査が来てから、連絡が来なくなって不安になります。
3日間の税務調査ですぐに問題のあるなしの結論が出ないためです。
税理士の方でも、税務署側に結論はいつになるのか確認することがありますが最終決定には時間がかかります。
問題があれば修正申告をすることが多い
納税者の方で、税務署側の指摘どおりに修正する場合があります。この場合には、自主的に修正申告に応じることになります。
修正申告書を提出して、それに応じた追徴税額と加算税の納付をします。
税務調査の終了は、この修正申告書を提出する段階で終了になります。
この修正申告をしたことで発生する税金の納付が困難な場合には、分割納付相談などをしていくことになります。
納得ができなければ、税務署の更正処分が出てから争うことも
見解の相違があって、どうしても納得できない場合には争うケースもあります。
修正申告をしてしまうと、再度この部分が納得できないと争うことができません。
そのため、税務署からの修正申告の打診には応じずに、税務署から更正処分を出してもらいます。
この更正処分は、納税者が納得していなくとも正しいのはこの申告内容だと税務署側が決めてくる手続きになります。
決められた内容に不服があれば争うということになります。
修正申告は納得した内容に対して自主的にしたことになるため、争うことができません。
まとめ
税務調査は、原則として事前通知の内容で3日間行われます。
顧問税理士がいる場合には、税理士が税務調査立ち合いをしてくれますが、顧問税理士がいない場合には社長が立ち会うことになります。
社長の都合が悪い場合には、事務員さん・家族などが税務調査の3日間立ち会うことになります。
税務調査については、当日だけではなく事前準備も重要です。
特に、会社側は税務調査経験が多くありません。
税理士さんとの事前打ち合わせが非常に精神的な支えとして重要になります。
税理士事務所は税務調査の経験が豊富になりますので、税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?
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