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税込経理と税抜経理で損得があるのかないのか気になるところです。今回は税込経理と税抜経理の損得を見ていきましょう。

税込経理と税抜経理の損得は?【消費税経理の影響とは】

「税込経理」と「税抜経理」の特徴については前回説明させていただきました。

「税込経理とは?」「税抜経理とは?」と思われる方は、こちらをご覧ください。

前回、税込み経理も税抜き経理も最終的に会社の利益は同じになる理由を説明させていただきました。

では、「税込経理と税抜経理で有利不利があるのか?」というタイトル自体が不思議になってきますね。

「税込経理」と「税抜経理」は消費税の影響による損益はないというのが、正確ないい方なのです。

税込み経理と税抜き経理の経理には、所得税や法人税の規定の適用に影響する部分があるのです。

税込経理・税抜経理を決めてしまうと継続的な適用が必要になるので、事前に税込み経理・税抜き経理の影響をもう少し見ていきましょう。

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1.少額減価償却に影響する(青色・白色の両方)に影響

個人事業主や法人が、次の資産を購入して事業に使った場合には、その購入金額(取得価額)をその年の経費にすることができます。

① 使用可能期間が1年未満のもの

② 取得価額が10万円未満のもの

この②の取得価額が10万円未満かどうかの金額は、次のように判断れます。

税込経理の場合:消費税込みで10万円

税抜経理の場合:消費税抜きで10万円

例えば、税抜き99,000円のパソコンを購入している場合をみていきましょう。

① 税込経理の場合:(器具備品) 106,920円 ≧  10万円

 ∴ 10万円以上となるため、少額減価償却の適用ができません。

② 税抜経理の場合:(器具備品)  99,000円 < 10万円

∴10万円未満のため、少額減価償却を適用してその年の経費にできる。

税抜き経理を適用している会社であれば、期末の節税に少額減価償却の規定がつかえたケースですが、税込み経理を選択している会社では少額減価償却の節税ができないパターンです。

2.中小企業者等の少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ)に影響

1の少額減価償却資産の特例(10万円未満)は、青色申告者・白色申告者の両方が受けられる規定です。

この中小企業者等の少額減価償却資産の特例は青色申告者だけの特典ですので注意してください!

中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、取得価額が30万円未満の減価償却資産を、事業に使った年に取得価額に相当する金額を経費にできる特例です。

ただし、上限として年間の取得価額の合計が300万円/年までの金額となります。

減価償却資産は、通常耐用年数によって数年間にわたって経費化する必要があります。

この特徴から、利益が出そうだからと決算期近くに固定資産を買っても経費になる額が小さくなってしまいます。

そんなときに、この中小企業者等の少額減価償却資産の特例を使うと節税効果が大きくなります。

決算月に少額減価償却資産を購入していても、30万円未満であれば全額を経費にできることになります。

通常の減価償却資産のように月数按分が必要ないため、最終月に多額の経費を作れることになります。

ただし、この取得価額が30万円未満かどうかの判定に消費税の税込み経理・税抜き経理の影響が出てきます。

決算月に、税抜き金額29万円のパソコン10台を購入した例を見ていきましょう。

① 税込経理の場合:

1台当たりの要件判定(器具備品)313,200円 ≧ 30万円

 ∴ 中小企業者等の少額減価償却資産の特例は適用できない。

(器具備品)3,132,000円をもとに減価償却していきます。

減価償却費の額 3,132,000円×0.5(耐用年数4年定率法)×1/12=130,500円(購入年の経費)

② 税抜経理の場合:

1台当たりの要件判定(器具備品)29万円<30万円

  ∴ 中小企業者等の少額減価償却資産の特例の適用あり

29万円×10台=290万円全額が購入年の経費にできる

③ ②-①=2,769,500円

④ 法人税等の影響(実効税率を29.74%と仮定)

 2,769,500円×29.74%=823,649円 節税効果!

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3.一括償却資産の特例に影響

取得価額が10万円以上20万円未満の場合には、一括償却資産として3年間にわたって1/3ずつを経費にすることが認められます。

この取得価額が10万円以上20万円未満の判定の際に、税抜経理・税込経理の影響が出てきます。

税抜き19万円のパソコンを購入した場合を例に見ていきましょう。

① 税込経理の場合:(器 具 備 品)205,200円 ≧  20万円

 ∴ 20万円以上となるため、少額減価償却の適用ができません。

② 税抜経理の場合:(一括償却資産) 190,000円 < 20万円

∴20万円未満のため、一括償却を適用して1/3ずつ3年にわたって経費にできる。

消費税の影響自体は、税込経理・税抜経理で損益に影響しません。

しかし、一発で経費が多く作ることができる規定の金額要件に影響を与えてしまいます。

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4.交際費の5,000円基準に影響

法人の場合、交際費のうち一定の金額以上のものは損金になりません。

つまり、たくさん交際費を使った場合には法人税の計算上経費にならないということになります。

しかし、内容としては交際費に該当していても、飲食代で参加者の人数で割ったものが5,000円以下のものは交際費に含めなくてよいいう規定があります。(※細かい要件は別にあります)

この一人当たり5,000円以下か同課の判定に税抜き経理・税込み経理の影響が出てきます。

例えば、1人当たり税込み金額5,400円で10人が出席した飲食の場合次のようになります。

① 税込経理の場合:5,400円 > 5,000円 ∴適用なし

5,400円×10名=54,000円が交際費として取り扱われます。

② 税抜経理の場合:5,000円 ≦ 5,000円 ∴ 適用あり

5,000円×10名=50,000円全額が交際費から除かれます。

5.交際費の定額控除限度額に影響

法人の場合、交際費が定額控除限度額を超えると、超えた部分の金額は損金になりません。(法人税の計算上経費にならない)

期末の資本金の額が1億円以下の法人の場合には、1年あたり800万円までの定額控除限度額を超えた部分が損金不算入になります。

条文上では、細かい別な規定もあるのですが一般の会社は1年あたり800万円を超えると節税にならないと覚えていただければ十分だと思います。

この1年あたり800万円というものが定額控除限度額といいます。

1年あたりという表現は、事業年度を変更したりして短くなった場合には800万円よりも小さくなるということです。

たとえば、6か月で事業年度を変更した場合をみてみましょう。

定額控除限度額 800万円×6か月/12か月=400万円と計算します。

あくまでも、12か月で1事業年度と考えて、800万円の枠が与えられています。

この交際費の定額控除限度額に達したかどうかは、税抜き経理の場合と税込み経理の場合で異なります。

① 税込み経理の場合:税込み800万円までが損金算入

② 税抜き経理の場合:税抜き800万円までが損金算入

交際費が全部消費税を含んでいる場合、税込み経理の会社は「税抜き金額740万円ちょっと」までしか使えないことになります。

これを超えると、超えた部分が損金不算入になってしまいます。

ところが、税抜き経理を選択している会社は「税抜き金額800万円」まで使えます。

この税抜経理と税込経理の差額は、約60万円もあります。

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まとめ

税抜経理・税込経理は所得税や法人税の節税をする際に大きな影響を与えます。

税抜経理をしている場合のほうが、少額減価償却資産の特例などの適用可能性が広がります。

税抜経理をしている場合のほうが、交際費を使っても経費になる部分が大きくなります。

税抜経理を選択している場合、消費税の知識がなければ面倒になる処理もあるので税理士事務所に相談してみてはいかがでしょうか?

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